日本口腔腫瘍学会誌
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シンポジウム1:「スーパーアドヴァンス症例への対応,進行再発癌に対する集学的治療 ─根治治療の可否判定と治療指針について─」
顎顔面口腔領域の再発腫瘍に対する炭素イオン線治療(原著)
高木 亮長谷川 安都佐小藤 昌志伊川 裕明長縄 憲亮鎌田 正
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2014 年 26 巻 4 号 p. 149-158

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抄録

炭素イオン線は高LET放射線であり高い生物学的効果を持ち,さらに線量集中性に優れることから周辺臓器への影響を抑えた治療が可能である。一般的に治療が困難であることが多い術後残存・再発腫瘍に対して,炭素イオン線治療を行い,良好な治療効果が得られたので報告する。対象は1997年4月から2013年8月までの間に放射線医学総合研究所で炭素イオン線治療を行った,耳下腺を含む顎顔面口腔領域の術後残存・再発腫瘍52例である。腺様囊胞癌が26例(50%)を占め,また39例(75%)がT4の局所進行例であった。治療は57.6GyEまたは64GyE/16Fr./4週間で行った。観察期間の中央値は47.7か月であった。局所制御率および粗生存率はそれぞれ3年で84.6%,76.8%,5年で75.2%,63.2%であった。有害反応として急性期にG3の粘膜炎が12例に見られたが晩期には全例がG1以下まで回復した。治療に難渋するX線抵抗性の局所進行再発腫瘍に対して,炭素イオン線治療は有効な局所治療の手段であると考えられた。

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© 2014 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
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